2018年6月16日土曜日

プロとしての矜持~コメント編


こんばんは!蒼です。

今日は「蒼支援チーム」が結成された場所であり、装具つけてでもいいから杖無しで歩いて行けるようになりたい、という意欲のキッカケにもなった、近くの居酒屋さんが移転の為一時閉店する日。場所が遠くなるだけでなくなるわけではないんだけど、リハビリのよりどころでもあった場所だけに寂しさも一入です。

さて、昨日の拙ブログについて、たくさんのご意見をいただきありがとうございます!
DMなどでいただいたご意見も併せて更に考えを深めるきっかけにさせていただいています。いくつかご紹介を。
自分自身振り返ると、その時その時の最善を尽くそうとして来たつもりですが、いつまで経っても対象者さんにとっての最善を尽くせているか実感を持てない日々を過ごしていることも事実です。
リハ専門職として未熟な部分も感じておられる、というOTさんのお気持ちを素直に語って下さいました。
そうですよね、実感が持てないというお気持ち、よくわかります。これはあくまでも私見ですが、当事者にとって最善であったかどうか、というのは元の生活なり、職場に帰ってからしかわからないことではないか、と思うのです。特に、急性期、回復期の療法士さんは、元の生活に戻った当事者を見る機会というのはほぼありません。生活期からフィードバックされる仕組みがない以上、答えが出ていないモヤモヤ感は残っちゃいますよね。
私自身は定期的に急性期・回復期を覗いたりしていますが、一人でバンバン動ける当事者というのはなかなかいないので、生活期→急性期・回復期にその人の状況を伝えられる仕組みがあったらいいのにな、と思います。そして動ける当事者はフィードバックしにいくべきだとも思う!

※私自身はレアケースなので、かかりつけだった急性期にも、今訪問リハでお世話になっている回復期系の施設からも今の状況が伝わっているそうですが(笑)
結果に関わらず、長時間何かしら関わっていれば報酬が発生する仕組みでは、療法士は「質の高い治療をしなくても食っていける」という状況になり、研鑽するかしないかは各療法士の価値観に委ねられている状況にあると思います。
闇の原因を的確に伝えて下さっているアンパンマンさんのツイートを借用。
実は回復期で「匿名で患者に投票してもらって月間療法士MVP決めたらいいやん」と提案したことのある当事者がここにいます(笑)
無為に時間をすごしても、ものすごいがんばっても給料は変わらないし…という療法士さんの善意頼みっていう状況では公的保険で素晴らしいリハビリを、と望むのは酷なのかもしれない、と思うことも当事者である私自身が思うときもあります。
でも「だから自費で、療法士さんに責任とやりがいが感じられるリハビリを」っていう論理も好きじゃないんですよ。公費使ってるんだからね!
ここらへん良いやり方がないのんかなあ?と私も思うところです。
自分がなんとなく引っ掛かったのは「疑う」というワードでした。当事者は、同じ土俵のチームと考えてます。なので、自分はOTとして第一にその人に寄り添います。そして、その人の考えが自然と促せるように考えられる場を一緒に作ります。その為に、必要があれば専門的な話も本人にします。疑うというより、「信頼の上で共に意見を言い合える」が一番理想な気がしました。
そしてフレッシュな3年目OTさんからのご意見。
ちょっと年数のたった療法士さんからは「若い!」という声があがるかもしれませんが、私はそうは思いません。当事者がどんな暮らしを送ってきて、何に価値を置いてきたか、というのは寄り添うことから始まると思うのですよ。「元みたいに動くようになったら何でもできるようになるやん」という当事者の素人的発想をほぐし、まずはどこからやろうか、という戦略を立てるのも療法士さんの大事なお仕事だと思うんですよね。
ADOCを使うのもいいかもしれませんし、病前のスケジュールを聞いてみるのもいいかもしれません。真摯に対応すれば、機能を失ったことにより混乱している当事者から生活や仕事復帰に必要な作業、そのために必要な機能を一緒に考えることができるようになるのかもしれないなー。

いやー、今回は一つのツイートをきっかけに色んな療法士さんのご意見を聞くことができてよき勉強の機会になりました。ありがとうございます!

最後に。
療法士さんというのは、人と関わる・コミュニケーションをとるという場面を切り取るとサービス業や接客業と共通する部分が多い、と受け取られる方がいらっしゃるかもしれません。不幸にも当事者となってしまった私から見ると、ちょっとずれてるんですよね、その考え。リハビリは刹那的なものではありません。機能を再獲得し、実生活で使えるようにトランスファーするということを考えると、どちらかというと学問や教育の面が強いように思うのです。
一時の快楽を与え、実生活に戻ってから現実に戻って困る、というリハビリテーションではなく、実生活に戻ってから「あの療法士さんが言ってたのはこのことだったのか」と気づきを持てるような時間を提供し続けていただきたいな、と切に願う次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿